愛された記憶の。

前記事、CAFE STREAMLINEの続きです。

この日は工事のお邪魔にならないように、１時間くらいで撮影して退散するつもりだったのですが、

結局お昼をご馳走になってしまい、思いがけず色々と長くお話することが出来て、 今まで考えが

至らなかったことに気づかされる、有意義なひとときを過ごすことができました。

 

仕事で忙しいお父さまの代わりに、お祖父さまにとても愛され、影響を受けて育ったマスターの

子供時代のお話を伺いながら、１９３０年代の世界、アールデコ、スイングジャズ、車…といった 

彼の世界を構築する要素となっているものが、お祖父さまとお祖父さまが生きた時代への憧憬、

オマージュであることが分かってきて、なるほど、と思いつつ自分のことにも意識が。

 

私が写真をやっているのは100％父の影響で、中学二年のある日、突然「これをお前にやろう。自由に

撮ってごらん」と渡されたオリンパスPEN-Fがすべての始まりでした。よく考えれば兄が二人もいるのに

何故飛び越えて私だったのかと不思議な気もしますが…。中三の冬に父は亡くなりましたが、病院の

ベッドの上で教えてもらったのがカメラのレクチャーの最後だったな、と食事を頂きながら思い出していました。

 

そして、さらに思い至ったのが図書館。実家の極近くにある図書館は私の幼い頃の記憶の中心にありました。

私にとってはシェルターでもあり、朝から晩まで入り浸っていたその建物が、アールデコ様式の建築であった

ことに突然気づいて(それまでわざわざ考えたことがありませんでした。)　だからなのか?  だからマスターが

作り上げた「帝都ロケット商會」、今回の「CAFE STREAMLINE」の世界にどこか通ずるものを感じて、

こんなに惹かれたのか?　と目が覚めるような思いがしました。

帰ってから調べてみたら、その図書館が建築されたのは1935年。時代的にもぴったりでした。 

結局私たちは誰でも、大切な場所や愛された記憶の周辺から離れられず、そこを中心として自分を作り上げて

いってしまうものなのかな…と、帰りの電車の中で膝にカメラバッグを抱えたままぼんやりと考えていた私でした。

 

「CAFE STREAMLINE 」、東京・代官山に11月中のオープン予定です。渋谷・恵比寿・代官山から歩いて行ける

場所になりますのでアクセスも抜群です。かといって駅前のごちゃごちゃしたところを抜けた先にあるので、とても

落ち着いた場所です。またはっきりした日付が決まったらブログ上とHP(http://cafestreamline.takara-bune.net/) で

お知らせしますね～。 

コメント 7

ちょうどここの裏でいつもカットしているので、
オープンしたら お邪魔させて頂こうかと思っています♪
by お茶屋 (2011-11-09 13:27) 

是非是非♪　……って、あれ、CAFE STREAMLINEがあるところは
もともと理容店だったのですが、まさかそこじゃないですよね(^_^;)。
実はHPに載っている地図、微妙にAの指している先がずれていまして…。
色んな方に来ていただきたいお店です♪　いつかお逢いできると
嬉しいです～。
by masugi (2011-11-09 14:30) 

さっき久しぶりにマスターと話しました。かならず行きます！！！

by ryuken (2011-11-09 22:25) 

おおお、龍顕さん!!　是非来られるときは
教えてください～…って、まだ東北ですか??
by masugi (2011-11-09 22:32) 

東北です！でも、いきます
by ryuken (2011-11-09 23:14) 

カメラ持って、散歩するのに楽しい場所デスね、交通の弁が良いのは助かります。あの辺り、何度か歩いたこと有りますが、なんせ坂の街、構図は楽しいけど徐々にカメラの重さがこたえてきました。ははは。
by かみねんど (2011-11-10 10:14) 

公民館も同じ雰囲気の建物だったし、
小学校もすてきだったわ♪
図書館、いつまでも残っててほしいですね。

by ちーぼぅ (2011-11-11 19:55)