江戸の敵は長崎で。 [ひとりごと]
しばらく空いてしまいました。ようやく、ちょっとトラブルも一段落しました。
単純に言ってしまえば、上の娘がいじめのターゲットになったということだったのですが、
周りの協力によって、とりあえずは落ち着いた(落ち着くかも? )という感触を得ました。
ここからは長くなってしまうので、無理に読まなくても大丈夫です~。ただ、自分の
記録的に書いておこうと思います。
上の娘は中学受験生。4年生の夏に突然「お母さん、私ピアノやめて塾に行きたい。
受験したい」と言われ、その時は寝耳に水ながら、「あんたがやりたいならいいよ~」と
気楽にOK出してしまったのですが、実際に知ったその世界は熾烈そのもの。
大人でも分からないような問題と半端ない分量、目に見える形と数字ではっきりと
示される序列(娘の塾は…というかほとんどどこでもそうでしょうが成績でクラス分け・
成績順に座るため毎週座席が変わります。前の席にいるほど優秀、後ろほどクラス
落ちの瀬戸際ということで…)、そしてどんなに努力しても叶わないかもしれないという
未来への不安…。
ただでさえストレスとプレッシャー満載の日々の中、塾の授業と宿題、そして当然小学校の
行事や宿題などで休みはほとんど無いに等しく、娘も常にキッチンタイマーで自分の時間を
区切る生活をしていました。そして親の私も全面協力しなければ回らないほど忙しい日々を
送っていました。
ただ、幸いなのは娘は基本的に負けず嫌いで真面目、こつこつ努力して、それが
報われることに喜びを感じるタイプなのでそういうスタイルの塾が合っており、「塾大好き。
勉強は大変だけど、新しいことを知る、というのは素晴らしいこと」と前向きにやっていました。
しかし、少しずつ成績を上げて、一番上のクラスに入った頃から、一緒に行っていたある子からの
嫌がらせが始まったのでした。
最初はきつい言葉をかけられる辺りから始まり、段々一緒に行っている仲間から外されるように
なっていきました。他のいじめをしない子達に話しかけようとしても、その子がさっとカットインして
話させない、3人なら1:2に、4人なら1:3になるようにされて、帰りも「クラスが違うといっても1、2分
しか違わないのに、待ってくれない…」と一人で電車で帰ってくることが多くなりました。そして
かけられる言葉のきつさも段々増して行きました。
その子とは学校も同じで家が近いので、学校の行き帰り時も同じような状況になり、段々学校の方
にもそういう雰囲気が波及、ついに、「学校行きたくない…学校辞めて、ずっと家と塾で勉強できたら
いいのに…」と言う様に。朝になるとお腹を壊したり熱が出たりすることも増えていました。
しかし、本人も学校の出欠は受験に大きく関わることを理解しており、また私も行かないことを認めて
しまえば、そのままずるずると行く気力を失ってしまうのではないかと思い、「取りあえず行きなさい。
クラスに居るのが辛かったら保健室に行って連絡してもらいなさい。すぐお母さん迎えに行くから」と
いう約束にして、送り出していました。そして実際迎えに行くことが何度かありました。
そしてまずは学校に現在の状況を説明・相談し、「もし改善が無いようなら保健室登校を認めて欲しい。
勉強は好きな子なので、プリントか課題を与えてもらえば自分で努力すると思う」と伝えたところ、
すぐに対応してくれ、席替えでいじめをするタイプの子・それに悪乗りしてしまいそうな子から引き離して
くれました。「もちろん辛かったら言ってくれれば保健室にいくのも大丈夫です。Rちゃんが最も辛くない
形になるように尽力します。席替え後の様子を見てあげてください」とも言ってもらえました。
確かにこれは効果があって、「学校が大分楽になったよ」とちょっと笑顔が見られるように。取りあえず
学校は一つクリア、と次は塾へ。
塾ではクラスも違うし、行き帰りが主な問題だったので、本人にも「10分早く行って予習していなさい。
そして帰りはちょっと遅くなってもいいから、分からない問題について先生に質問しなさい。いやな思いを
するだけなら一緒に行動する理由が無いじゃない?」と言い、塾へはこういう事情なので、無理に一緒に
帰らせず、娘が質問に来たら帰りが遅くなるのは構わないので答えてやってほしい、と伝えました。
すると室長が「あの子ね…(いじめている子)これでもう2件目なんですよね。前にもクラス内でそういうことを
やっていて…親呼び出しで辞めさせるぞ! と言うのもありですね…」と言うので、ちょ、ちょっと待ってください、
まだ学校の方で指導が入る可能性が高いので…と待ってもらい、最後、その子の親との二人での話し合いに。
これが最も辛い話し合いでした。その子の親とはずっと仲良くしていたので…。色々な役職を引き受けがちな
ところも同じで、やれやれ我々ばっかり、しょうがないね~と仕事をする仲間でもありました。とても常識的で
いい人なだけに、いじめの加害者と被害者の親として話をしなくてはならないのが残念でなりませんでした。
なるべく事実のみを話し、その上で、親と子は別人格なので子供を駒にして親の争いになるのは避けたい、
ただ、このような状況はどちらの子供にとっても良くないので最も良い着地点を一緒に探りたい、ということを
伝えました。
華やかで楽しいこと大好きなその子と、本ばかり読んでいて真面目すぎるうちの子では共通して楽しいと
感じる事柄が少なく、タイプが全然違うので無理に仲良くさせる必要は無いと思う、ただ、このような敵意を
向けるのはどこかに理由があり、それを解決できるようにしよう、ということでお互い確認しながら話し合い
は終わりました。
でも、その人も自分の娘がそういうことをしているということに強いショックを受けながらも、「話してくれて
有難う」と重く受け止めてくれ、その子にきちんと話をしてくれたようで、翌日娘が塾から帰ってくると
「何だろう…今日はひどいことを言われなかったの。何故かみんな待っていてくれたので4人で帰ってきたの」と
首をかしげながら言っていたので、取りあえず一つ山は越えたかな、という感じになりました。まだ当分は
様子を見守るということになりそうです。
ここのところずっと学校が終わるまでは私も家から出られず、保健室からのSOSが来るのではないかと不安な
気持ちで待っていました。みるみる食欲が落ちて夜も眠れず、私の方が参ってしまいそうでしたが、子供が
泣いてないのに私が泣いてどうする、と自分を叱咤していました。今は、力を抜いていいのかダメなのかが
分からず、ちょっと疲れてぼんやりしています(^_^;)。
この問題解決にあたる間、娘のRに言い続けてきたことは「人間万事塞翁が馬」と「江戸の敵を長崎で討つ」と
いうことでした。
「R、江戸の敵は長崎で、だよ。意地悪なことをされて、意地悪なことを返すようでは同レベルになってしまう。
それは勉強で返しな。理不尽なことをされて憎しみがあるのなら、何を言われようとも跳ね返せるだけの実力を
つけて、正当な方法で叩きのめしなさい。それがウチの筋の通し方だろう」
「人間万事塞翁が馬、って学んだよね。これらの出来事はもちろん良くないことだった。でも、それで学校や塾に
事情を聞きに行ったり相談したりする中、Rがどれほど先生たちからの信頼を得ているかよく分かったよ。一応、
『ウチの子がその子に何かしたのでしょうか…』と訊いたけど、どの先生も『Rちゃんがそんなことするわけない』と
断言してくれた。そういう人からの信頼ってすごく大きな財産だし、あんたのことを誇りに思うよ。」と繰り返し伝え、
ストレスで噛んでしまってぼろぼろになった爪(肉が見えるほどの深爪で、元々はそれを見たことから今回の娘を
取り巻く状況を知ったのでした)のケアをし、夜も読み聞かせを復活してなるべくそばに居るように、少しでも身体に
触れてわずかでもストレスが緩和されるようにしていましたが、昨日「もう大丈夫。爪も噛まないからハンドクリーム、
もういいよ。本も自分で読む」と立ち直った顔で寝床へ上がって行ったので一旦終了にしました。
今回はみんなが「解決しよう! 」という方向でちゃんと動いてくれたので、幸いなケースだと思います。
学校が「そんな事実は把握していません」と知らぬ振りをしたり、塾に「そういうのはお子さん同士で解決していただく
問題ですし…」と言われたり、相手の親がモンスターペアレント的な人だったりしたら、かなり大変だったと思うので…。
取りあえずまだしばらくは見守り続けたいと思っています。
まだまだ自由に外に撮影に行けるような気持ちではありませんので、ご近所フォトか蔵出しで細々ブログを続けていく
感じになると思いますが、のんびり撮りに行こうと思える日が、早く来たらいいなあ。
写真は先日の大雪の日。35mmF1.4Gです。塾から帰ってきた上の子、少しだけ遊んでもいい? と夜10時前ながら
家の前で雪遊びをしていました。すぐお風呂に入るんだよ~!! とハラハラしながら見ていましたが、「ああ、久しぶりに
楽しかった」という笑顔を見たら、雪に感謝の私でした(;_;)。
ご苦労さまでした。
by u-k (2011-02-17 11:58)
無事に着地点がみつかったようでよかったですね!
文章をよんでからまた写真をみたら、娘さんのたのしそうな姿に新しい意味がくわわったようで心があたたかくなりました。
いわゆる嫉妬ですよね。勉強ができる子に対するっていう。
この世で難しいのは、お金を稼いだり、いい成績とることよりも、いい人間関係だと再び強く思わせていただきました。
受験は今年なのかな、来年なのかな。うまくいきますように。
by 坂本 (2011-02-17 12:34)
はじめまして。
写真を通じていつもブログ拝見していました。勝手にリンクも頂いてます^^;
今回の記事、私の子供も同じような境遇で読んでいてとても辛くなりました。
小学2年ですが、真面目で本を読むのが大好きで休み時間中も一人で本を読んでいるような、おとなしくマイペースな子です。
いじめに気付いたのは、妻が授業参加に訪れたとき。
少し早めにクラスへ行くと掃除をしている様、良く見てみると我が子だけが雑巾がけをして、周りの子はほうきを持って、「Y早くやれ~」と指示を出しているだけでした。
その子は、近所の子で学校も一緒に行っていた子でした。前触れはありました。途中から一緒に登校しなくなったのです。
そこで親として気づいてあげればよかった。。。
帰ってきて妻からその報告を受け2人で泣きました。
子供の喧嘩に親が口を出したくない、わかっていても口を出さないといけないときがある、その葛藤で日々辛い毎日でした。
結局、学校へ相談したところ、担任の先生より即時対応いただき、席、班を離したそうです。
原因は、いろんなコンクールに入賞したり、他の子より勉強ができる為、それ以外の劣ったところをやり玉に虐めていたそうです。
先生からその子の親へも連絡してくれたようで、その子の親は子供を連れてわざわざ謝りに家までやってきてくれました。
我が子には自分で抱え込まず、どんなことでも相談しなさい、私たちはYの味方だからと伝えて一旦は収まりました。
・・・すいません、私事をダラダラ書いてしましました。
前記事の「見張り塔からずっと」も、そういう布石があったのですね。。。
私も胸が積もる思いで本を読んだことを思い出しました。
masugiさんも、大変かと思いますが、無理をならさず頑張ってください。
駄文、失礼しました。
by chopperbaba (2011-02-17 12:35)
無理なさらずに見守ってあげてくださいね。
by とみっち (2011-02-17 13:54)
全てがいい方向に向かうことを祈ってます。
たまには写真撮って、息抜きしてください。
by monk (2011-02-17 19:12)
収束の方向になって良かったですね。
by いいだや (2011-02-17 19:27)
娘さん、辛いのに頑張りましたね。
周りの大人もいい人ばかりで、読んでるこちらまでホッとしました。
by あら (2011-02-17 19:55)
6年生頃から女の子の友達関係は複雑に
なって行きますよね。
でも、お互いいい方向に向かっているようで一安心です。
by tomi8 (2011-02-17 20:27)
辛いですね。
涙が止まりません。
無責任ですが、
きっと来ますよ、のんびり写真を楽しめる日が。
必ず来ます。
by カマスケ (2011-02-17 21:04)
学校側も塾側も問題のコのお母さんも対応してくれて
とても恵まれたケースだと思います良かったですね。
by PylorI (2011-02-17 21:55)
とってもとっても辛く大変でしたね。
いろんな出来事と思いが我が身にも重なってしまい切ないです。
家族の愛があればきっと乗り越えていけますよ!
by レッドパラダイス (2011-02-17 22:03)
こんばんは。
大変なことになっていたのですね。
でも解決に向かって動いた勇気ある行動に素直に感動しました。
そして、それがいい方向に向かってることを喜んでいます。
お子さんが自分で決めた道を上手くサポートされていますね!
このまま事態がいい方向に向かってくれると信じています!
by nen (2011-02-17 22:41)
いい対応をされましたね。すばらしい話だとも思いながら拝読しました。
先方の親御さんも至極まともな(最近では少数派かも)方でよかったですね。
いじめてしまった子も含めて、かかわった全員がそれぞれプラスのものを得られたのではないでしょうか?
まさに”人間万事・・”ですね。
by かっか (2011-02-17 23:11)
言葉は、時として最も恐ろしい凶器にもなる。
でも、使いようによっては、心をケアすることもできますね。
いじめた子にも、そういうサポートがあることを、切に願います。
いつか、同じ目標を持つ相手として、仲よくなれるといいですね。
masugiさん、ステキです。
お子さん、しっかり愛してもらっていて、素晴らしいです。
masugiさんのような親御さんがそばにいたら、
自分の道を迷うことなく、一心に突き進める勇気をもてると思います。
受験は辛いけれど、後で必ず、がんばった自分に胸を張れます。
応援します。
by もにょち (2011-02-17 23:54)
何てコメしていいのか・・・。
とにかく良い方向にこれからも
向かって行くと良いですね^^
by aidesu (2011-02-17 23:54)
女の子って何で嫉妬するんでしょうね(-_-;)
うちの子も、英会話のお友達に、いじめられた事があります。
人気者の男の子と仲良くしていたために。。。
一年生だったので、けしごむを落とされたり、椅子をひかれたりと
露骨ないじめでしたが、送り迎えだけしていたので最初気づかなくて
様子が変なので聞いたら「いじわるされてる」と教えてくれました。
しばらく、教室に入り様子を観察しましたが私の前でもいじわるするので
最終的には穏やかなお子さんばかりのクラスに変えていただきました。
仲の良い方のお子さんのこと打ち明けるの勇気がいることだったと
思います。でもよい方向で進んでいるとのことで良かったですね。
お嬢ちゃまの小さな胸がもう痛みませんように、
楽しい事が沢山ありますように~☆
私もmasugiさんの様に、子供が相談してくれるような母親で
いたいと思います!!
小さい雪だるまと大粒の雪のお写真好きです~♪
by tomotomo (2011-02-18 09:13)
あら、masugiさんのお子さんがうちの娘と同い年だったとは ^^;
お友達問題、悩ましいですねぇ
おまけに相手の保護者とも仲良くされていたとなると、それを打ち明ける勇気たるや、相当のものだったとお察しします
子供を独りぼっちにさせない愛、それが大切だとあらためて思い感じました
このままよき方向へと向かわれ、あの時はこうだったよねぇ~♪と笑って話せるようになることを願ってます
by かに吉 (2011-02-18 09:54)
良い方向に向かって見えるようなので、ほっとしています
何故なんでしょうね、どうしてこんな風ぬこじれてしまうのかしらと
おもいます、読ませていただいて、本人と周り(母)がしっかり正面を向いて、惑わされることなく、人を恨むことなく、過ごしていくのが大事なのかなと、でも 難しいですね、
のちのち あのときね、どうしちゃったのかな、ごめんねぇーて そんな言葉が返ってくるといいですね
by engrid (2011-02-18 17:00)
状態が悪い中でも周囲が悪化させない環境が
不幸中の幸いですね。
なによりもお子さんにとっておかあさんが
心強く安心する存在であることが一番です^^
by hrd (2011-02-18 17:30)
良かったですね。大変な事にならず、周囲も協力してくれて、本当に良かったですね。
うちの子も最近、腹痛を理由に休む事があるし、爪を噛んで絆創膏貼ってるので心配になって、この記事を読んで今本人と会話しました。
うちも少し前に初期のイジメになってたので心配したんですが、ただ体調が悪いだけの様でした。
いじめる子にも何か理由があるんでしょうが、だからって誰かに発散して良い筈はなく。
矛先が他の子に変わるだけって事も珍しくないので、周りの人間が協力していじめの芽を摘む事が出来ると良いですね。
masugiさん親子なら大丈夫だって信じてます。応援してます、負けないで!
by secretariat (2011-02-18 21:34)
niceを付けて良いのかどうか解からないですが・・・・。
言葉と態度の暴力は始末が悪いですよね。
勝とうとしないで負けないようにしなければならないような?。
そんな難しさと歯がゆさを感じます。
masugiさん、写真は2の次3の次4の次です。
by HUDSON (2011-02-19 18:36)
私自信なぜか小学校6年の1年限定でずいぶんいじめられましたが、中学に入って新しい友達ができたとたんに、雪がとけるように消えてなくなってしまいました。
by keisuke (2011-02-19 22:32)
周りがいい人で よかった
娘さんがちゃんと打ち明けてくれてよかった
まだまだ時間がかかるかもしれませんが
いつの日か こんな事あったねって話しができるようになりますように
by ねこじたん (2011-02-20 12:24)
「江戸の敵は長崎で」が通じるところに二人の強い信頼関係を感じました。
と同時に、自分の子どもがいじめられたら/いじめたらと考えさせられました。
親も価値観が問われますね。。。
by takeneko (2011-02-20 17:33)
読みました。
友達(教師)の子供が同じくターゲットにされ
長い戦いをしていたのを見ていただけに、
淡々と書いては居られますが、辛かった心情が
少し解ります。
masugiさんがお母さんで良かったと思いました。
by chichiの母 (2011-02-22 11:29)
ますぐすちゃん、たいへんだったんだね・・・
あの小さかったRちゃんも、段々色々なことを経験して
大人になってきていることを感じて、なんだか胸が熱くなりました。
でも、ますぐすちゃんがいるんだからダイジョウブ。
何があってもダイジョウブです。
by にこちゃん (2011-02-22 16:11)
こういういやがらせの問題は実は子供だけではなく
大人の世界でもあることなんですよね...。実に難しい問題です。
masugiさんの勇気ある行動に感動しました。
良い方向で全面解決するといいですね。
by 朝のソナタ (2011-02-28 00:25)
娘さん、よかったね。
本当によかったね。
お母さんもよく頑張ったよ。
感動しちゃった。
泣けてきた。
二人ともえらい!
by カエル (2011-03-01 17:50)